イズモテンブログVOL.24「【山形連載(番外編)】日本列島ダーツの旅・後編」
2019.06.05
出雲店の山形です。
「言葉の響き」はとても大きいものだと思っています。
「ダーツの旅」
その言葉の響きだけでワクワクしてきませんか。
ダーツの旅・前編をお読みの方は薄々気づいておられるかもしれませんが、面白さ・楽しさがある反面、過酷さもあります。
その過酷さを予感しながらも、言葉の響きに引っ張られるがままに遂行した今回の旅。
このあと後編を書いていきますが、私の中ではこの、「言葉の響き」は旅行を行うにあたってはとても重要なものなのです。
私はその影響を大きく受けるタイプです。大きく受けるどころか、その響きに振り回されているといっても過言ではないでしょう。
無類の海外旅行好きである私山形ですが、昨年のところでいいますと、夏にボスニア・ヘルツェゴビナとクロアチアに行きました。
クロアチアにあるドゥブロブニクという場所に行ってみたいという気持ちがあり、訪れました。
(魔女の宅急便に出てくる街のモデルになった都市です。私は観たことがありません。)
お隣の国である、ボスニア・ヘルツェゴビナですが、
「なんでそこに行ったの?」
とよく聞かれます。なぜ行ったのでしょうか。
特にお目当てがあったわけでもありませんが、「ボスニア・ヘルツェゴビナ」という響きに魅了され、とりあえず行ってみました。
いい響きですよね、ボスニア・ヘルツェゴビナ。唱えるだけで気分が高揚してきませんか。ボスニア・ヘルツェゴビナ。きっと私は厨二病という病気でしょう。治療は今のところ考えておりません。
ちなみに計画では、来年はアイスランドに行こうと考えています。
「アイスランド」
これまたいい響きですよね、アイスランド。
アイスランドと口にするだけでワクワクして来ます。寒いということ、遠いということはなんとなく知っていますが、それ以外は何もわかりません。アイスランドの中でも、「ランド」の響きがこれまたいいです。
「ランド」の響きに引っ張られ、昨年はニュージーランドとディズニーランドにも行ってみました。楽しかったです。
「アイスランドに行ってみたいんだ」
と口にすると、周囲からは
「アイスランドで何するの?」
「アイスランドって何があるの?」
とよく聞かれます。
さて、アイスランドには何があるのでしょう。さっぱりわかりません。
ですが、ひとつその旅行を行うにあたって、ひとつだけ、譲れないこだわりがあります。
それは、
「アムステルダム経由で行きたい」
ということです。
アムステルダム、最高の響きです。この上ない響きです。
ノストラダムス
ティラノサウルス
コメコメクラブ
トノサマガエル
フライドチキン
イチブトゼンブ
長澤まさみ
7文字の言葉には底知れぬ魅力があるのではないかと前々から仮説は立てていました。
さて、アムステルダム。
ベストオブベストです。議論の余地もないでしょう。強い。強すぎる。聞くだけで圧倒される。恐れすら感じます。アムステルダム。一体どんな都市なんでしょう。さっぱり分かりません。唯一得ている情報は7文字であること。
アムステルダム。ドラゴンクエストでいうところの「マダンテ」と近しい威力を持っています。(※マダンテとは、全ての魔力を解き放ち巨大な爆発を起こしたものを相手にぶつける、最強の呪文のことです。)
アムステルダムはオランダの首都です。アムステルダムにあるスキポール空港はヨーロッパを代表するハブ空港のひとつでもあるため、トランジットで立ち寄られた方も多いのではないでしょうか。
私は過去に2度、ヨーロッパを訪れましたが、残念ながらどちらもドバイ経由でした。アムステルダム経由への強い憧れがありましたが、どちらもいい時間の便がなく、泣く泣く断念しました。次こそは、アムステルダム経由を。日に日に想いは強くなるばかりです。
もういっそのこと、「成田発、アムステルダム経由、成田行き」でもいい。兎にも角にもアムステルダムを経由したい自分が心の隅にいます。アイスランドに行くことよりも、アムステルダムを経由することの方が優先度としては高いかもしれません。
・・・余談が長くなりました。
本題に入ります。
ダーツの旅の後編をこれから徒然なるままに書き綴っていきますが、前編を見てない方は、前編を見てからこの後編をご覧ください。そして後編ですが、長いです。前編よりも長いです。ご容赦ください。
ダーツの旅前編のリンクを貼っておきますので、まずはこちらへ。
イズモテンブログVOL.21「【山形連載(番外編)】日本列島ダーツの旅・前編」
では前回の続きからということで、旅行2日目、令和元年5月1日(水)の夜からスタートします。
5月1日(水)23:00
福島県安達太良SA
これまでの2日間、
プリウスを18時間運転し続けたYくんと、じゃんけんの負けに心が折れかけているAくん、ミスター岡山Oくんと、私の4人で過ごしてきました。
前編を公開したところ、多くの反響があり、
「愛知のAくんがかわいそう!!!後半ではどうかじゃんけん、負けませんように!!!(>_<)」
「岡山のOくんがかっこいい!!!もっとOくんの写真を出して!!!(>_<)」
「プリウスのYくん、運転大丈夫!?体力が心配!!!(>_<)」
「山形さんのピザ好きのくだりはいらないと思います」
などなど、様々な意見を頂戴しました。有難うございます。
そういった声を踏まえながら、後編を書いていきたいと思います。
さて、翌日は朝9時に、京都駅にて残りの2人のメンバーと合流する予定にしておりました。
「余裕をもって仙台を出発しよう。はやく着いたら、マンガ喫茶でもどこでもいいから仮眠を少しとりたいね。あんまり眠かったら途中サービスエリアで仮眠をとろう。」
仙台を後にした時にはそんな陽気なことを抜かしていましたが、グーグルマップで調べると、京都駅の予想到着時刻は朝9時。仮眠を取る暇も許されません。
すでにメンバーの大半が疲労困憊。さらに牛タン、冷やし中華、ずんだ餅などを間髪入れずにお腹に入れたため、お腹がいっぱいで眠気を誘発します。
募る不安。
高まる緊張。
「私たちは、無事に京都にたどり着くことができるのか?」
5月2日(木)0:30
福島から新潟へ向かう道中
突如始まったイントロクイズ。
曲の冒頭部分の3秒が流れ、
「あー!!!!!この曲知ってる!!!」
「わかる!!!わかるんだけどなんの曲だっけ!!!」
と盛り上がり、答えとしてサビが流れると、皆で熱唱。
車内に活気と熱気が溢れ、フロントガラスが曇ります。
次の曲の冒頭部分が流れるまでの数秒間、普段であれば緊張感のある数秒でしょうが、我々は疲労困憊です。無音のたった数秒の間に、睡魔が襲いかかって来ます。
まったく聴いた記憶のないはずのイントロでも、
「あー!!!!!なんだっけーーーー!!!」
と声を出し、気合を入れ、お互いを高め合いながら、新潟を目指します。
青春時代を共に過ごした2000年代のイントロクイズを一通り終えると、私たちとしては心地の良い懐かしさを感じる1990年代のイントロクイズを・・・。
そして1990年代のイントロクイズを終えると、1980年代のイントロクイズへ・・・。
この辺りになると、さっぱり分かりません。サビを聴くと「これはさすがに知ってる!」となっても、イントロ部分ではさっぱり分からず、分からないことで徐々に気持ちが沈み、反動として睡魔につけ込む隙を与えてしまいます。
ここで活躍を見せたのがドライバーのYくん。この旅での運転時間はこの時点で20時間を越えている彼ですが、1980年代ミュージックへの、異常な強さを魅せつけます。
「ダンシング・オールナイト」「ルビーの指輪」「待つわ」「CHA-CHA-CHA」「ランナウェイ」などなど・・・。
サビを聴けば、確かに知っている。曲名を見ても、聴けばわかる気がする。そんな音楽ですが、1993年生まれの我々にとって、当時の曲のイントロを3秒聴いただけで答えるのは恐らく一般的には困難なのです。
そんな中、Yくんは時には3秒を待たずに答え、時には冒頭の3秒からAメロBメロを手繰り寄せてからサビを導き出し答えます。ドラマガリレオの音楽が聴こえてきそうです。その圧巻のパフォーマンスに我々も興奮状態。
「ラ〜ンナウェ〜イ」
「ランナウェイ♪」
「とて〜も好きさ〜」
「らんうぇいー♪えーい!!!♪」
そう繰り返しながら無事福島県を抜け、新潟県に突入。
無類の浜崎あゆみ好きである私山形ですが、いざ流れると曲名がパッと出てこず、悔しい思いをしました。楽しい思い出が多くを占める反面、課題の残る旅でもありました。
5月2日(木)1:30
新潟県 米山SA
夜食の時間です。
歌い疲れ、喉が枯れ、汗をかき、疲労に疲労を重ね、そしてお腹が減った私たちは、サービスエリアで軽食を取ることにしました。
イケメンOくんは、「俺は飯よりコーヒーを飲みたい」と缶コーヒーで一服。
ドライバーYくんは、「食べるよりも何よりも、寝たい」とのこと。
残された愛知のAくんと私はお腹ぺこぺこでしたので、あさりとあおさの塩ラーメンをいただきました。
じゃんけんの勝率は1/2。
その確率は、私から見れば相当高いものでしたが、Aくんからしてみると低かったのでしょう。
Aくん
「え、二人だけど、、、、じゃんけん・・・する?」
そう怯えた様子でこちらを伺う彼を見て、「ここは、なしにしようか」と答えてしまった私。
変な優しさが芽生えてしまいました。今振り返ると、この旅で一番悔やむべき瞬間だったかもしれません。流れからいうと恐らく私がじゃんけんに勝利していたことでしょう。こてんぱんにして、ネタにすべきでした。
サービスエリアのラーメンではレベルの高いものだったと思います。スープまで美味しくいただき、完食しました。
5月2日(木)3:00
石川県の道中
長い長い新潟県を越え、富山県を抜け、石川県へ。
ドライバーYくんは「まだいける」と意気込みをみせますが、朝から京都で活動をすることを考えると仮眠を取らせた方がいいと判断しました。
この旅初めてYくんがプリウスの運転席を他人に明け渡します。Yくんに皆が労いの言葉をかけます。
「よく頑張った。あとは俺たちに任せろ。」
5月2日(木)5:00
福井県 南条SA
いよいよ京都が目と鼻の先です。
ナビもゆとりを持って到着予想時刻を私たちに伝えていたのか、この調子だと少し早く京都に到着しそうです。
余裕もできたということで、朝食を。
Aくんは車で仮眠、
Oくんは缶コーヒーで一服、
Yくんは仮眠から目覚めたものの、「まだ朝ごはんはいいかな」とのこと。
残された私はじゃんけんをする相手もいなかったので、一人で越前そばを嗜みました。
2日ぶりの越前そば、大根おろしがピリリと辛く、アクセントになります。
腹ごしらえを終え、南条を後にし、いざ京都へ。
復活を遂げたYくんが再びハンドルを握ります。
5月2日(木)7:30
京都駅 到着
無事、京都に着きました。
周囲はすっかり明るくなり、徐々に車や人の数が増えていく様子を見て、1日が始まることを実感します。
集合時刻まで残り1時間半。仮眠を取ることも検討しましたが、
「温泉に浸かり汗を流し、疲れた体を癒そうではないか」
という結論になりました。
京都タワーの地下に温泉があったため、近くのパーキングに車を停め、温泉へ。
入浴料890円×4人。
バスタオル1枚100円×4人。
人数が増えることから、4人で行うじゃんけんはこれが最後。
「ほんと2日間、お疲れ様。」
感謝のこもったじゃんけん。ハイタッチではなく、拳で感謝を体現。
ストレート負けでミスター岡山Oくんの支払いとなり、幕を閉じました。
4000円。
まぁまぁ大きな金額です。
券売機に向かう背中が悲しく見えます。タダ風呂、とても爽快でした。有難うございました。
5月2日(木)8:20
京都駅近くのパーキング
全員集合まで残り40分。特にすることはない。ただ2人を待つだけの40分。メンバー2人が到着を待たずして、睡魔の方がお先にやってこられました。
旅がスタートして2日と4時間。
ドライバーYくんの運転時間は30時間に迫り、実に旅の半分以上の時間を運転している計算になります。
京都に着き、温泉にもはいったことで、どっと眠気が押し寄せて来たのでしょう。燃え尽きてしまいました。
5月3日(木)9:10
京都駅
長崎からお越しのMくんが到着し、合流です。
前日に新幹線で関西方面まで移動し、甲子園球場でプロ野球観戦。
大阪にお住いの友達のお家に泊めてもらい、有り余るほどの体力を引っさげての参戦です。
「みんな久しぶりー!え、なんか元気なくない!?ってかテンション低くない!?」
満面の笑みでこちらに問いかけて来ます。なんとなくですが、イラっとした記憶があります。
Mくんとは大学時代の思い出が数多くあります。
前編では出番がなかったので、せっかくなので少しだけ紹介を。
「大学生になったらヒッチハイクをしたい」
勉強と部活動しかなかった高校時代、大学生というものに強い憧れがありました。受験勉強の息抜きがてら、「夢ノート」というものに将来やりたいことを書きなぐっていました。
その一番最初に書いたヒッチハイク。
大学一年生のGWですので、今から7年も前の出来事です。一人で行こうとする私に、周りの友人は「いや、一人でヒッチハイクは危なくないか?最初は流石に2人とかの方がいいんじゃ・・・」と止めに入ります。
心配をしてくれる友人に「では一緒に行くか?」というと、「NO」が返って来ます。誰かが言いました。
「Mなら行くんじゃないか?」
確かに。Mくんなら行きそうだ。すかさずLINEを送りました。出発の前々日のことです。
私「Mー!ヒッチハイクしない?」
M「いいよー!いつからー?」
私「明後日!」
M「急だなー!(笑)おっけー!」
たった二往復のやり取りでヒッチハイクを敢行しました。結果、10台の車に乗せていただき、京都往復の旅となりました。
Mくんは誰からも慕われる人間です。阿部サ○ヲに少し似ています。現在は地元長崎で教員をしています。
5月2日(木)9:30
京都駅近くのパーキング
9時集合のはずが、残る一人、京都出身のSくんが来ません。
今回のGW、部活動なので多忙、フリーな時間が5月3日の1日しかない・・・。そんなSくんの為に京都集合を急遽予定に組み込みましたが、遅刻です。
後ほど本人を問い詰めると、なかなか吐きませんでしたが、やはり寝坊だったようです。少しだけ、説教を行いました。
Sくんも前編では登場しなかった為、少しだけ紹介を。
Sくんは我々の中では唯一の既婚者です。3月の結婚式では余興を依頼された為、QU○○Nの仮装でWe ○re The ○hanpionを歌い上げました。
Oくんがフレディ・○ーキュリーを完全再現。
そして私山形のブライ○ン・メイ、Yくんのロジャー・○イラー、Mくんのジム・ハッ○ンが花を添えました。親族の方からのウケが大変よく、大好評の余興となりました。
5月2日(木)10:00
全員集合
全員集合です。
どこに行こうか?
何をしようか?
普段みなさんは、こういう時にどのような方法で行き先を決めますか?
多くの方が「話し合い」という方法を選択されるのではないでしょうか。
我々はというと、「じゃんけん」です。
大学時代、「どこ行く?」「何する?」「何食べる?」「解散する?」などなど、様々な場面で話し合いを行って来た経験があります。
ですが、各々の意志が強すぎてお互いの主張を譲らないんです。相手の意見に歩み寄ろうとしない。
他人の意見に耳を傾け、「それいいねー!」と声をかける優しい人間など、愛知のAくんくらいです。
その事実に気づいてからというもの、
「じゃんけんに委ねようじゃないか」
という暗黙のルールが作られました。
さて、「どこ行く何するじゃんけん」一回目。
Aくん(愛知)
「京都競馬場に行きたい」
私
「北にまっすぐ歩いて3軒目のカフェでモーニング食べたい」
Oくん(岡山)
「とりあえず目についたカフェでモーニング食べたい」
Mくん(長崎)
「すき家で朝ごはん食べたい」
Sくん(京都)
「USJに行きたい」
Yくん(島根)
「眠いからもう家に帰りたい」↓
(全員からの強い反対)
↓
「道頓堀に行きたい」
京都を満喫しようと言っていたにも関わらず、守ろうとする気配がありません。
「京都まで来てすき家って!」と思われる方もおられるかと思いますが、我々の中では日常茶飯事です。
さて、話し合いをしても拉致があかないことは分かっているので、
Let’s じゃんけん
じゃんけん、
ぽん。
私の勝利です。
「北にまっすぐ歩いて3軒目のカフェでモーニング」
に決まりました。
5月2日(木)11:00
カフェを目指して北上
歩く通りが悪かったのでしょうか。
京都はどこを歩いてもカフェだらけ、という偏見を持っていた私でしたが、一向にカフェが見つかりません。
歩き始めて数十分が経過しています。
決めたことを臨機応変に捻じ曲げることができるのも、我々の良さです。
カフェが見当たらなかったので、目に入ったパン屋さんで朝ごはんを食べることにしました。
Yくんのお支払い。ご馳走様でした。眠気からでしょうか。じゃんけんでの集中力を欠いていたように見えました。
そして、「どこ行く何するじゃんけん」2回目。
Aくん(愛知)
「金閣寺に行きたい」
私
「清水寺に行きたい」
Mくん(長崎)
「すき家で昼ごはん食べたい」
Yくん(島根)
「本当に家に帰りたい」
↓
(全員からの猛烈な反対)
↓
「二条城行ってみたい」
Oくん(岡山)
「抹茶フォンデュ食べたい」
Sくん(京都)
「タリーズで休憩したい」
京都観光をする気がないのでしょうか。
じゃんけんの結果、ここはYくんに軍配が上がり、二条城に行き先が決定。
やっと京都観光らしくなって来ました。
5月2日(木)11:30
元離宮二条城
世界遺産、二条城へ到着。
しかし、入場するまでにはびっくりするほどの長蛇の列。
「え、これ、待つ・・・?」
「京都を観光した足跡ひとつぐらいは残しとかんと・・・」
「すき家行きたい」
「1時間以上は待つんじゃないか・・・?」
様々な意見が飛び交いましたが、場内整理のおじさんに声をかけると、「15分ほどで入れると思うよ」ということだったので、せっかくだからと、いざ二条城。
入城料は当然ながらじゃんけんです。
6人になり、負ける確率が下がった反面、金額は太くなります。
気になる二条城の入城料。
一般:1000円(1人)
6人なので、6000円です。
これは、払いたくない・・・・。
じゃんけん、
ぽん。
「普段こんな感じなのかー!!!スリルあるなー!!!」
「みんなで旅行行くの初めてだから、めっちゃ楽しみだったんだよー!!!」
愛知からお越しのAくん、惨敗。お疲れ様です。
負けた瞬間、
「ヴァッ!!!」
という声が出ていました。
前日までのところで負けが続いたAくん。「お祓い行った方がいいかな〜」と冗談をいう元気が昨日の時点ではあったのですが。すっかり意気消沈。
さて、二条城観光。
「おおー!!!ここが虎の間!!!」
「清流園!!!壮大だなー!!!」
「最高ーー!!タダで観れるとか、余計最高ーーー!!!」
無類の日本史好きでも知られるYくん、眠気も吹き飛び大興奮です。
無邪気にはしゃぐYくんを、我々は微笑ましく見つめます。
「いやー、あんなに眠そうだったYがこんなに楽しんでくれてよかったじゃんか!」
Aくんを気遣い、Sくんが声をかけます。
「二条城全然楽しめねぇわ」
悲壮感漂うAくん。煽るYくん。それをニヤニヤしながら見守る残る一同。とても楽しい二条城観光でした。
5月2日(木)12:40
二条城入り口
二条城、一周するのにかなりの距離と時間を要しました。
時刻はすっかりお昼時です。
「そろそろお昼でも食べましょうか・・・」
「さて、じゃんけんしますか」
私
「オムライス」
Sくん(京都)
「お好み焼き」
Aくん(愛知)
「カレーうどん」
Mくん(長崎)
「ビュッフェレストラン」
Yくん(島根)
「松屋」
Oくん(岡山)
「ビュッフェレストラン」
じゃんけん、
ぽん。
勝者、愛知からお越しのAくん。
「さっき勝てよ、俺」
自分への怒りに打ちひしがれていました。
5月2日(木)13:30
お食事処やまびこ
Aくんが以前京都に訪れた際、「感動した」と豪語するカレーうどん屋さんへ。
名物、辛口スジカレーうどん。
私は大盛りを注文しましたが、圧巻のボリューム。
↑(大盛りがすごい・・・。)
ごろごろとしたスジ肉がほろほろととても柔らかく、カレーはしっかりめなスパイシーさ。麺はつるっとした喉ごしで、つゆとよく絡みます。
大満足でした。お腹がはちきれるほどのボリュームでした。
5月2日(木)14:20
二条城 駐車場
昼食を終え、車のある二条城の駐車場まで戻ります。
時間はまだゆとりがありましたので、どこ行く何するじゃんけんです。
Sくん(京都)
「お餅系のデザートが食べたい」
Mくん(長崎)
「枡のティラミス食べたい」
Aくん(愛知)
「鴨川で昼寝」
Oくん(岡山)
「飲み物買って、嵐山でゆっくり」
Yくん(島根)
「松屋で全員牛丼」
私
「追い二条城」
お昼ご飯のあとということもあり、「甘いものを食べながらゆっくり・・・」という雰囲気は漂っていました。
その流れを無視してのYくんの「松屋で全員牛丼」案。
「おいおい、ふざけるって!」
Mくんはそう言いながらも「らしくなってきたじゃん・・・」という顔をしています。
「もうお腹にはいらんよ!?」
Sくんはそう言いつつも顔はほころび、すっかり緩みきっています。
そして私の「追い二条城」案。
追い鰹、追いチーズ、追い炊き・・・。「追い〇〇」は世間に溢れかえっていますが、「追い二条城」を唱えたのは私が初めてではないでしょうか。しかも7文字。響きも良い。
じゃんけんをする前から、すでにAくんは青ざめています。
彼の頭には、もう一度6000円を支払っている様子が絵として浮かんでいるようです。
じゃんけん、
ぽん。
勝者、Oくん。
「飲み物買って、嵐山でゆっくり」案に決まってしまいました。
なんともパッとしない微妙な案です。
「それなら牛丼の方が良かったわ」
という雰囲気すら流れます。(Aくんは1人、安堵の表情を浮かべていました。)
5月2日(木)15:00
嵐山
激混みの嵐山。駐車場を見つけるのが困難だったようですが、私は仮眠を取っていたのでその苦労が分かりません。
まずはお飲み物を。
「自動販売機のジュースでいいんじゃないか?」
と私は提案しましたが、ここは長崎からお越しのMくんが
「せっかくだからおしゃれなもの飲もうよ!」
ということで嵐山公園近くのYADO Cafeさんへ。ドリンクのテイクアウトもできる、お洒落なカフェです。
当然ながらお支払いはじゃんけんですが、でしゃばった人が負けるというのはやはり定説ですね。
もれなくMくんが負け、総額4000円のお支払い。ご馳走になりました。
インスタ映えを狙いましたが失敗の図。
とても暑い日でしたので、キンキンに冷えたドリンクが体に染み渡ります。
二条城じゃんけんですっかりメンタルをやられてしまった愛知からお越しのAくん。注文を間違えてしまい、ホットのハーブティーを注文してしまいました。流石の一言に尽きます。
5月2日(木)15:20
嵐山公園
「どこを観光しようか?」
そんな話になりかけましたが、あくまで「飲み物買って、嵐山でゆっくり」しないといけません。
ゆっくりすべく、ひとまず川沿いに腰を下ろし、ゆっくりすることとしました。
ここでは、大学時代に多くの時間を費やし捧げた人狼ゲームを行うこととしました。
嵐山に背を向け、すっかり白熱。気づけば1時間以上が経過し、「そろそろ戻ろうか」「そうだね。暗くなって来たし」ということで嵐山をあとにしました。嵐山に行く必要性はあったのでしょうか。
5月2日(木)17:00
京都駅
「そろそろ飲みますか」
この意見に対しては「そうですね」と意見がまとまりました。
「どこがいい?」
という問いかけに、「近いところ」と投げやりな答えが返って来ます。すっかり疲れ切っています。
ひとまず目に入った某チェーン店に入店し、昔話に花を咲かせました。
飲み屋での写ルンです、とても味が出ていいですね。
途中で、Yくんが「次の日仕事があるから先に帰るわ」と退席。
この旅30時間超えの運転を行ったYくん、今旅のMVPです。
(特別賞は随所に笑いのセンスがキラリと光ったAくん。)
すっかり盛り上がり、誰かが言葉を発します。
「次は世界地図を広げてダーツを投げたいね〜」
その言葉は冗談なのか、本気なのか・・・。
すっかり私はその気になっています。
5月2日(木)23:00
京都駅
解散の時間です。
各々、新幹線で、車で、帰路へと。
「次は誰かの結婚式で!」
そう声をかけ、熱く抱擁を交わし、別れを告げます。
短いようで長いような、密度の濃い数日間でした。
旅のまとめとして、私の大好きな伊坂幸太郎作品「チルドレン」の一文を。
「そもそも、大人が恰好良ければ、子供はぐれねぇんだよ」
家庭裁判所の調査官である、陣内という人物が作中で放つ一言です。
少し前まで学生服を着ていたつもりの私たち、気づけばすっかり20代も後半に突入しました。親から見れば、「まだまだ子供」と思われるかもしれませんが、世間一般から見れば、大人の部類です。
「どんな大人になりたいか?」と問われれば、「かっこいい大人になりたい」と答えます。
「かっこいい」の定義は人それぞれですが、自分たちの思う「かっこいい」を体現したい。
そのためにも、やりたいことはやり遂げたい。「無理だ。できっこない」なんて言葉は使いたくない。
子供から見て、「かっこいい」「真似したい」「あんなふうに生きたい」そう思われたい。
そんな考え方を共有できる、素敵な仲間との数日間でした。忙しい合間を縫って都合をつけてくれたみんなへ、感謝の気持ちでいっぱいです。
これでダーツの旅の記事はおしまいです。長々しいプライベート旅行の記事を読んでいただき、ありがとうございました!
日本列島ダーツの旅
~平成ー令和編~
総旅行時間:67時間
宮城県滞在時間:21時間
(うち睡眠時間:9時間)
総移動時間:35時間
総睡眠時間:12時間
交通費
ガソリン代:17,850円
ETC料金:26,290円
合計:44,140円
1人当たり:11,000円
SPECIAL THANKS...‼
S.Y Y.O Y.A T.M Y.S
出雲店 山形
これまでの連載記事はこちらから♪
イズモテンブログVOL.3「【山形連載①】海外旅行記」
イズモテンブログVOL.12「【山形連載②】海外旅行記」
イズモテンブログVOL.21「【山形連載(番外編)】日本列島ダーツの旅・前編」
「言葉の響き」はとても大きいものだと思っています。
「ダーツの旅」
その言葉の響きだけでワクワクしてきませんか。
ダーツの旅・前編をお読みの方は薄々気づいておられるかもしれませんが、面白さ・楽しさがある反面、過酷さもあります。
その過酷さを予感しながらも、言葉の響きに引っ張られるがままに遂行した今回の旅。
このあと後編を書いていきますが、私の中ではこの、「言葉の響き」は旅行を行うにあたってはとても重要なものなのです。
私はその影響を大きく受けるタイプです。大きく受けるどころか、その響きに振り回されているといっても過言ではないでしょう。
無類の海外旅行好きである私山形ですが、昨年のところでいいますと、夏にボスニア・ヘルツェゴビナとクロアチアに行きました。
クロアチアにあるドゥブロブニクという場所に行ってみたいという気持ちがあり、訪れました。
(魔女の宅急便に出てくる街のモデルになった都市です。私は観たことがありません。)
お隣の国である、ボスニア・ヘルツェゴビナですが、
「なんでそこに行ったの?」
とよく聞かれます。なぜ行ったのでしょうか。
特にお目当てがあったわけでもありませんが、「ボスニア・ヘルツェゴビナ」という響きに魅了され、とりあえず行ってみました。
いい響きですよね、ボスニア・ヘルツェゴビナ。唱えるだけで気分が高揚してきませんか。ボスニア・ヘルツェゴビナ。きっと私は厨二病という病気でしょう。治療は今のところ考えておりません。
ちなみに計画では、来年はアイスランドに行こうと考えています。
「アイスランド」
これまたいい響きですよね、アイスランド。
アイスランドと口にするだけでワクワクして来ます。寒いということ、遠いということはなんとなく知っていますが、それ以外は何もわかりません。アイスランドの中でも、「ランド」の響きがこれまたいいです。
「ランド」の響きに引っ張られ、昨年はニュージーランドとディズニーランドにも行ってみました。楽しかったです。
「アイスランドに行ってみたいんだ」
と口にすると、周囲からは
「アイスランドで何するの?」
「アイスランドって何があるの?」
とよく聞かれます。
さて、アイスランドには何があるのでしょう。さっぱりわかりません。
ですが、ひとつその旅行を行うにあたって、ひとつだけ、譲れないこだわりがあります。
それは、
「アムステルダム経由で行きたい」
ということです。
アムステルダム、最高の響きです。この上ない響きです。
ノストラダムス
ティラノサウルス
コメコメクラブ
トノサマガエル
フライドチキン
イチブトゼンブ
長澤まさみ
7文字の言葉には底知れぬ魅力があるのではないかと前々から仮説は立てていました。
さて、アムステルダム。
ベストオブベストです。議論の余地もないでしょう。強い。強すぎる。聞くだけで圧倒される。恐れすら感じます。アムステルダム。一体どんな都市なんでしょう。さっぱり分かりません。唯一得ている情報は7文字であること。
アムステルダム。ドラゴンクエストでいうところの「マダンテ」と近しい威力を持っています。(※マダンテとは、全ての魔力を解き放ち巨大な爆発を起こしたものを相手にぶつける、最強の呪文のことです。)
アムステルダムはオランダの首都です。アムステルダムにあるスキポール空港はヨーロッパを代表するハブ空港のひとつでもあるため、トランジットで立ち寄られた方も多いのではないでしょうか。
私は過去に2度、ヨーロッパを訪れましたが、残念ながらどちらもドバイ経由でした。アムステルダム経由への強い憧れがありましたが、どちらもいい時間の便がなく、泣く泣く断念しました。次こそは、アムステルダム経由を。日に日に想いは強くなるばかりです。
もういっそのこと、「成田発、アムステルダム経由、成田行き」でもいい。兎にも角にもアムステルダムを経由したい自分が心の隅にいます。アイスランドに行くことよりも、アムステルダムを経由することの方が優先度としては高いかもしれません。
・・・余談が長くなりました。
本題に入ります。
ダーツの旅の後編をこれから徒然なるままに書き綴っていきますが、前編を見てない方は、前編を見てからこの後編をご覧ください。そして後編ですが、長いです。前編よりも長いです。ご容赦ください。
ダーツの旅前編のリンクを貼っておきますので、まずはこちらへ。
イズモテンブログVOL.21「【山形連載(番外編)】日本列島ダーツの旅・前編」
では前回の続きからということで、旅行2日目、令和元年5月1日(水)の夜からスタートします。
5月1日(水)23:00
福島県安達太良SA
これまでの2日間、
プリウスを18時間運転し続けたYくんと、じゃんけんの負けに心が折れかけているAくん、ミスター岡山Oくんと、私の4人で過ごしてきました。
前編を公開したところ、多くの反響があり、
「愛知のAくんがかわいそう!!!後半ではどうかじゃんけん、負けませんように!!!(>_<)」
「岡山のOくんがかっこいい!!!もっとOくんの写真を出して!!!(>_<)」
「プリウスのYくん、運転大丈夫!?体力が心配!!!(>_<)」
「山形さんのピザ好きのくだりはいらないと思います」
などなど、様々な意見を頂戴しました。有難うございます。
そういった声を踏まえながら、後編を書いていきたいと思います。
さて、翌日は朝9時に、京都駅にて残りの2人のメンバーと合流する予定にしておりました。
「余裕をもって仙台を出発しよう。はやく着いたら、マンガ喫茶でもどこでもいいから仮眠を少しとりたいね。あんまり眠かったら途中サービスエリアで仮眠をとろう。」
仙台を後にした時にはそんな陽気なことを抜かしていましたが、グーグルマップで調べると、京都駅の予想到着時刻は朝9時。仮眠を取る暇も許されません。
すでにメンバーの大半が疲労困憊。さらに牛タン、冷やし中華、ずんだ餅などを間髪入れずにお腹に入れたため、お腹がいっぱいで眠気を誘発します。
募る不安。
高まる緊張。
「私たちは、無事に京都にたどり着くことができるのか?」
5月2日(木)0:30
福島から新潟へ向かう道中
突如始まったイントロクイズ。
曲の冒頭部分の3秒が流れ、
「あー!!!!!この曲知ってる!!!」
「わかる!!!わかるんだけどなんの曲だっけ!!!」
と盛り上がり、答えとしてサビが流れると、皆で熱唱。
車内に活気と熱気が溢れ、フロントガラスが曇ります。
次の曲の冒頭部分が流れるまでの数秒間、普段であれば緊張感のある数秒でしょうが、我々は疲労困憊です。無音のたった数秒の間に、睡魔が襲いかかって来ます。
まったく聴いた記憶のないはずのイントロでも、
「あー!!!!!なんだっけーーーー!!!」
と声を出し、気合を入れ、お互いを高め合いながら、新潟を目指します。
青春時代を共に過ごした2000年代のイントロクイズを一通り終えると、私たちとしては心地の良い懐かしさを感じる1990年代のイントロクイズを・・・。
そして1990年代のイントロクイズを終えると、1980年代のイントロクイズへ・・・。
この辺りになると、さっぱり分かりません。サビを聴くと「これはさすがに知ってる!」となっても、イントロ部分ではさっぱり分からず、分からないことで徐々に気持ちが沈み、反動として睡魔につけ込む隙を与えてしまいます。
ここで活躍を見せたのがドライバーのYくん。この旅での運転時間はこの時点で20時間を越えている彼ですが、1980年代ミュージックへの、異常な強さを魅せつけます。
「ダンシング・オールナイト」「ルビーの指輪」「待つわ」「CHA-CHA-CHA」「ランナウェイ」などなど・・・。
サビを聴けば、確かに知っている。曲名を見ても、聴けばわかる気がする。そんな音楽ですが、1993年生まれの我々にとって、当時の曲のイントロを3秒聴いただけで答えるのは恐らく一般的には困難なのです。
そんな中、Yくんは時には3秒を待たずに答え、時には冒頭の3秒からAメロBメロを手繰り寄せてからサビを導き出し答えます。ドラマガリレオの音楽が聴こえてきそうです。その圧巻のパフォーマンスに我々も興奮状態。
「ラ〜ンナウェ〜イ」
「ランナウェイ♪」
「とて〜も好きさ〜」
「らんうぇいー♪えーい!!!♪」
そう繰り返しながら無事福島県を抜け、新潟県に突入。
無類の浜崎あゆみ好きである私山形ですが、いざ流れると曲名がパッと出てこず、悔しい思いをしました。楽しい思い出が多くを占める反面、課題の残る旅でもありました。
5月2日(木)1:30
新潟県 米山SA
夜食の時間です。
歌い疲れ、喉が枯れ、汗をかき、疲労に疲労を重ね、そしてお腹が減った私たちは、サービスエリアで軽食を取ることにしました。
イケメンOくんは、「俺は飯よりコーヒーを飲みたい」と缶コーヒーで一服。
ドライバーYくんは、「食べるよりも何よりも、寝たい」とのこと。
残された愛知のAくんと私はお腹ぺこぺこでしたので、あさりとあおさの塩ラーメンをいただきました。
じゃんけんの勝率は1/2。
その確率は、私から見れば相当高いものでしたが、Aくんからしてみると低かったのでしょう。
Aくん
「え、二人だけど、、、、じゃんけん・・・する?」
そう怯えた様子でこちらを伺う彼を見て、「ここは、なしにしようか」と答えてしまった私。
変な優しさが芽生えてしまいました。今振り返ると、この旅で一番悔やむべき瞬間だったかもしれません。流れからいうと恐らく私がじゃんけんに勝利していたことでしょう。こてんぱんにして、ネタにすべきでした。
サービスエリアのラーメンではレベルの高いものだったと思います。スープまで美味しくいただき、完食しました。
5月2日(木)3:00
石川県の道中
長い長い新潟県を越え、富山県を抜け、石川県へ。
ドライバーYくんは「まだいける」と意気込みをみせますが、朝から京都で活動をすることを考えると仮眠を取らせた方がいいと判断しました。
この旅初めてYくんがプリウスの運転席を他人に明け渡します。Yくんに皆が労いの言葉をかけます。
「よく頑張った。あとは俺たちに任せろ。」
5月2日(木)5:00
福井県 南条SA
いよいよ京都が目と鼻の先です。
ナビもゆとりを持って到着予想時刻を私たちに伝えていたのか、この調子だと少し早く京都に到着しそうです。
余裕もできたということで、朝食を。
Aくんは車で仮眠、
Oくんは缶コーヒーで一服、
Yくんは仮眠から目覚めたものの、「まだ朝ごはんはいいかな」とのこと。
残された私はじゃんけんをする相手もいなかったので、一人で越前そばを嗜みました。
2日ぶりの越前そば、大根おろしがピリリと辛く、アクセントになります。
腹ごしらえを終え、南条を後にし、いざ京都へ。
復活を遂げたYくんが再びハンドルを握ります。
5月2日(木)7:30
京都駅 到着
無事、京都に着きました。
周囲はすっかり明るくなり、徐々に車や人の数が増えていく様子を見て、1日が始まることを実感します。
集合時刻まで残り1時間半。仮眠を取ることも検討しましたが、
「温泉に浸かり汗を流し、疲れた体を癒そうではないか」
という結論になりました。
京都タワーの地下に温泉があったため、近くのパーキングに車を停め、温泉へ。
入浴料890円×4人。
バスタオル1枚100円×4人。
人数が増えることから、4人で行うじゃんけんはこれが最後。
「ほんと2日間、お疲れ様。」
感謝のこもったじゃんけん。ハイタッチではなく、拳で感謝を体現。
ストレート負けでミスター岡山Oくんの支払いとなり、幕を閉じました。
4000円。
まぁまぁ大きな金額です。
券売機に向かう背中が悲しく見えます。タダ風呂、とても爽快でした。有難うございました。
5月2日(木)8:20
京都駅近くのパーキング
全員集合まで残り40分。特にすることはない。ただ2人を待つだけの40分。メンバー2人が到着を待たずして、睡魔の方がお先にやってこられました。
旅がスタートして2日と4時間。
ドライバーYくんの運転時間は30時間に迫り、実に旅の半分以上の時間を運転している計算になります。
京都に着き、温泉にもはいったことで、どっと眠気が押し寄せて来たのでしょう。燃え尽きてしまいました。
5月3日(木)9:10
京都駅
長崎からお越しのMくんが到着し、合流です。
前日に新幹線で関西方面まで移動し、甲子園球場でプロ野球観戦。
大阪にお住いの友達のお家に泊めてもらい、有り余るほどの体力を引っさげての参戦です。
「みんな久しぶりー!え、なんか元気なくない!?ってかテンション低くない!?」
満面の笑みでこちらに問いかけて来ます。なんとなくですが、イラっとした記憶があります。
Mくんとは大学時代の思い出が数多くあります。
前編では出番がなかったので、せっかくなので少しだけ紹介を。
「大学生になったらヒッチハイクをしたい」
勉強と部活動しかなかった高校時代、大学生というものに強い憧れがありました。受験勉強の息抜きがてら、「夢ノート」というものに将来やりたいことを書きなぐっていました。
その一番最初に書いたヒッチハイク。
大学一年生のGWですので、今から7年も前の出来事です。一人で行こうとする私に、周りの友人は「いや、一人でヒッチハイクは危なくないか?最初は流石に2人とかの方がいいんじゃ・・・」と止めに入ります。
心配をしてくれる友人に「では一緒に行くか?」というと、「NO」が返って来ます。誰かが言いました。
「Mなら行くんじゃないか?」
確かに。Mくんなら行きそうだ。すかさずLINEを送りました。出発の前々日のことです。
私「Mー!ヒッチハイクしない?」
M「いいよー!いつからー?」
私「明後日!」
M「急だなー!(笑)おっけー!」
たった二往復のやり取りでヒッチハイクを敢行しました。結果、10台の車に乗せていただき、京都往復の旅となりました。
Mくんは誰からも慕われる人間です。阿部サ○ヲに少し似ています。現在は地元長崎で教員をしています。
5月2日(木)9:30
京都駅近くのパーキング
9時集合のはずが、残る一人、京都出身のSくんが来ません。
今回のGW、部活動なので多忙、フリーな時間が5月3日の1日しかない・・・。そんなSくんの為に京都集合を急遽予定に組み込みましたが、遅刻です。
後ほど本人を問い詰めると、なかなか吐きませんでしたが、やはり寝坊だったようです。少しだけ、説教を行いました。
Sくんも前編では登場しなかった為、少しだけ紹介を。
Sくんは我々の中では唯一の既婚者です。3月の結婚式では余興を依頼された為、QU○○Nの仮装でWe ○re The ○hanpionを歌い上げました。
Oくんがフレディ・○ーキュリーを完全再現。
そして私山形のブライ○ン・メイ、Yくんのロジャー・○イラー、Mくんのジム・ハッ○ンが花を添えました。親族の方からのウケが大変よく、大好評の余興となりました。
5月2日(木)10:00
全員集合
全員集合です。
どこに行こうか?
何をしようか?
普段みなさんは、こういう時にどのような方法で行き先を決めますか?
多くの方が「話し合い」という方法を選択されるのではないでしょうか。
我々はというと、「じゃんけん」です。
大学時代、「どこ行く?」「何する?」「何食べる?」「解散する?」などなど、様々な場面で話し合いを行って来た経験があります。
ですが、各々の意志が強すぎてお互いの主張を譲らないんです。相手の意見に歩み寄ろうとしない。
他人の意見に耳を傾け、「それいいねー!」と声をかける優しい人間など、愛知のAくんくらいです。
その事実に気づいてからというもの、
「じゃんけんに委ねようじゃないか」
という暗黙のルールが作られました。
さて、「どこ行く何するじゃんけん」一回目。
Aくん(愛知)
「京都競馬場に行きたい」
私
「北にまっすぐ歩いて3軒目のカフェでモーニング食べたい」
Oくん(岡山)
「とりあえず目についたカフェでモーニング食べたい」
Mくん(長崎)
「すき家で朝ごはん食べたい」
Sくん(京都)
「USJに行きたい」
Yくん(島根)
「眠いからもう家に帰りたい」↓
(全員からの強い反対)
↓
「道頓堀に行きたい」
京都を満喫しようと言っていたにも関わらず、守ろうとする気配がありません。
「京都まで来てすき家って!」と思われる方もおられるかと思いますが、我々の中では日常茶飯事です。
さて、話し合いをしても拉致があかないことは分かっているので、
Let’s じゃんけん
じゃんけん、
ぽん。
私の勝利です。
「北にまっすぐ歩いて3軒目のカフェでモーニング」
に決まりました。
5月2日(木)11:00
カフェを目指して北上
歩く通りが悪かったのでしょうか。
京都はどこを歩いてもカフェだらけ、という偏見を持っていた私でしたが、一向にカフェが見つかりません。
歩き始めて数十分が経過しています。
決めたことを臨機応変に捻じ曲げることができるのも、我々の良さです。
カフェが見当たらなかったので、目に入ったパン屋さんで朝ごはんを食べることにしました。
Yくんのお支払い。ご馳走様でした。眠気からでしょうか。じゃんけんでの集中力を欠いていたように見えました。
そして、「どこ行く何するじゃんけん」2回目。
Aくん(愛知)
「金閣寺に行きたい」
私
「清水寺に行きたい」
Mくん(長崎)
「すき家で昼ごはん食べたい」
Yくん(島根)
「本当に家に帰りたい」
↓
(全員からの猛烈な反対)
↓
「二条城行ってみたい」
Oくん(岡山)
「抹茶フォンデュ食べたい」
Sくん(京都)
「タリーズで休憩したい」
京都観光をする気がないのでしょうか。
じゃんけんの結果、ここはYくんに軍配が上がり、二条城に行き先が決定。
やっと京都観光らしくなって来ました。
5月2日(木)11:30
元離宮二条城
世界遺産、二条城へ到着。
しかし、入場するまでにはびっくりするほどの長蛇の列。
「え、これ、待つ・・・?」
「京都を観光した足跡ひとつぐらいは残しとかんと・・・」
「すき家行きたい」
「1時間以上は待つんじゃないか・・・?」
様々な意見が飛び交いましたが、場内整理のおじさんに声をかけると、「15分ほどで入れると思うよ」ということだったので、せっかくだからと、いざ二条城。
入城料は当然ながらじゃんけんです。
6人になり、負ける確率が下がった反面、金額は太くなります。
気になる二条城の入城料。
一般:1000円(1人)
6人なので、6000円です。
これは、払いたくない・・・・。
じゃんけん、
ぽん。
「普段こんな感じなのかー!!!スリルあるなー!!!」
「みんなで旅行行くの初めてだから、めっちゃ楽しみだったんだよー!!!」
愛知からお越しのAくん、惨敗。お疲れ様です。
負けた瞬間、
「ヴァッ!!!」
という声が出ていました。
前日までのところで負けが続いたAくん。「お祓い行った方がいいかな〜」と冗談をいう元気が昨日の時点ではあったのですが。すっかり意気消沈。
さて、二条城観光。
「おおー!!!ここが虎の間!!!」
「清流園!!!壮大だなー!!!」
「最高ーー!!タダで観れるとか、余計最高ーーー!!!」
無類の日本史好きでも知られるYくん、眠気も吹き飛び大興奮です。
無邪気にはしゃぐYくんを、我々は微笑ましく見つめます。
「いやー、あんなに眠そうだったYがこんなに楽しんでくれてよかったじゃんか!」
Aくんを気遣い、Sくんが声をかけます。
「二条城全然楽しめねぇわ」
悲壮感漂うAくん。煽るYくん。それをニヤニヤしながら見守る残る一同。とても楽しい二条城観光でした。
5月2日(木)12:40
二条城入り口
二条城、一周するのにかなりの距離と時間を要しました。
時刻はすっかりお昼時です。
「そろそろお昼でも食べましょうか・・・」
「さて、じゃんけんしますか」
私
「オムライス」
Sくん(京都)
「お好み焼き」
Aくん(愛知)
「カレーうどん」
Mくん(長崎)
「ビュッフェレストラン」
Yくん(島根)
「松屋」
Oくん(岡山)
「ビュッフェレストラン」
じゃんけん、
ぽん。
勝者、愛知からお越しのAくん。
「さっき勝てよ、俺」
自分への怒りに打ちひしがれていました。
5月2日(木)13:30
お食事処やまびこ
Aくんが以前京都に訪れた際、「感動した」と豪語するカレーうどん屋さんへ。
名物、辛口スジカレーうどん。
私は大盛りを注文しましたが、圧巻のボリューム。
↑(大盛りがすごい・・・。)
ごろごろとしたスジ肉がほろほろととても柔らかく、カレーはしっかりめなスパイシーさ。麺はつるっとした喉ごしで、つゆとよく絡みます。
大満足でした。お腹がはちきれるほどのボリュームでした。
5月2日(木)14:20
二条城 駐車場
昼食を終え、車のある二条城の駐車場まで戻ります。
時間はまだゆとりがありましたので、どこ行く何するじゃんけんです。
Sくん(京都)
「お餅系のデザートが食べたい」
Mくん(長崎)
「枡のティラミス食べたい」
Aくん(愛知)
「鴨川で昼寝」
Oくん(岡山)
「飲み物買って、嵐山でゆっくり」
Yくん(島根)
「松屋で全員牛丼」
私
「追い二条城」
お昼ご飯のあとということもあり、「甘いものを食べながらゆっくり・・・」という雰囲気は漂っていました。
その流れを無視してのYくんの「松屋で全員牛丼」案。
「おいおい、ふざけるって!」
Mくんはそう言いながらも「らしくなってきたじゃん・・・」という顔をしています。
「もうお腹にはいらんよ!?」
Sくんはそう言いつつも顔はほころび、すっかり緩みきっています。
そして私の「追い二条城」案。
追い鰹、追いチーズ、追い炊き・・・。「追い〇〇」は世間に溢れかえっていますが、「追い二条城」を唱えたのは私が初めてではないでしょうか。しかも7文字。響きも良い。
じゃんけんをする前から、すでにAくんは青ざめています。
彼の頭には、もう一度6000円を支払っている様子が絵として浮かんでいるようです。
じゃんけん、
ぽん。
勝者、Oくん。
「飲み物買って、嵐山でゆっくり」案に決まってしまいました。
なんともパッとしない微妙な案です。
「それなら牛丼の方が良かったわ」
という雰囲気すら流れます。(Aくんは1人、安堵の表情を浮かべていました。)
5月2日(木)15:00
嵐山
激混みの嵐山。駐車場を見つけるのが困難だったようですが、私は仮眠を取っていたのでその苦労が分かりません。
まずはお飲み物を。
「自動販売機のジュースでいいんじゃないか?」
と私は提案しましたが、ここは長崎からお越しのMくんが
「せっかくだからおしゃれなもの飲もうよ!」
ということで嵐山公園近くのYADO Cafeさんへ。ドリンクのテイクアウトもできる、お洒落なカフェです。
当然ながらお支払いはじゃんけんですが、でしゃばった人が負けるというのはやはり定説ですね。
もれなくMくんが負け、総額4000円のお支払い。ご馳走になりました。
インスタ映えを狙いましたが失敗の図。
とても暑い日でしたので、キンキンに冷えたドリンクが体に染み渡ります。
二条城じゃんけんですっかりメンタルをやられてしまった愛知からお越しのAくん。注文を間違えてしまい、ホットのハーブティーを注文してしまいました。流石の一言に尽きます。
5月2日(木)15:20
嵐山公園
「どこを観光しようか?」
そんな話になりかけましたが、あくまで「飲み物買って、嵐山でゆっくり」しないといけません。
ゆっくりすべく、ひとまず川沿いに腰を下ろし、ゆっくりすることとしました。
ここでは、大学時代に多くの時間を費やし捧げた人狼ゲームを行うこととしました。
嵐山に背を向け、すっかり白熱。気づけば1時間以上が経過し、「そろそろ戻ろうか」「そうだね。暗くなって来たし」ということで嵐山をあとにしました。嵐山に行く必要性はあったのでしょうか。
5月2日(木)17:00
京都駅
「そろそろ飲みますか」
この意見に対しては「そうですね」と意見がまとまりました。
「どこがいい?」
という問いかけに、「近いところ」と投げやりな答えが返って来ます。すっかり疲れ切っています。
ひとまず目に入った某チェーン店に入店し、昔話に花を咲かせました。
飲み屋での写ルンです、とても味が出ていいですね。
途中で、Yくんが「次の日仕事があるから先に帰るわ」と退席。
この旅30時間超えの運転を行ったYくん、今旅のMVPです。
(特別賞は随所に笑いのセンスがキラリと光ったAくん。)
すっかり盛り上がり、誰かが言葉を発します。
「次は世界地図を広げてダーツを投げたいね〜」
その言葉は冗談なのか、本気なのか・・・。
すっかり私はその気になっています。
5月2日(木)23:00
京都駅
解散の時間です。
各々、新幹線で、車で、帰路へと。
「次は誰かの結婚式で!」
そう声をかけ、熱く抱擁を交わし、別れを告げます。
短いようで長いような、密度の濃い数日間でした。
旅のまとめとして、私の大好きな伊坂幸太郎作品「チルドレン」の一文を。
「そもそも、大人が恰好良ければ、子供はぐれねぇんだよ」
家庭裁判所の調査官である、陣内という人物が作中で放つ一言です。
少し前まで学生服を着ていたつもりの私たち、気づけばすっかり20代も後半に突入しました。親から見れば、「まだまだ子供」と思われるかもしれませんが、世間一般から見れば、大人の部類です。
「どんな大人になりたいか?」と問われれば、「かっこいい大人になりたい」と答えます。
「かっこいい」の定義は人それぞれですが、自分たちの思う「かっこいい」を体現したい。
そのためにも、やりたいことはやり遂げたい。「無理だ。できっこない」なんて言葉は使いたくない。
子供から見て、「かっこいい」「真似したい」「あんなふうに生きたい」そう思われたい。
そんな考え方を共有できる、素敵な仲間との数日間でした。忙しい合間を縫って都合をつけてくれたみんなへ、感謝の気持ちでいっぱいです。
これでダーツの旅の記事はおしまいです。長々しいプライベート旅行の記事を読んでいただき、ありがとうございました!
日本列島ダーツの旅
~平成ー令和編~
総旅行時間:67時間
宮城県滞在時間:21時間
(うち睡眠時間:9時間)
総移動時間:35時間
総睡眠時間:12時間
交通費
ガソリン代:17,850円
ETC料金:26,290円
合計:44,140円
1人当たり:11,000円
SPECIAL THANKS...‼
S.Y Y.O Y.A T.M Y.S
出雲店 山形
これまでの連載記事はこちらから♪
イズモテンブログVOL.3「【山形連載①】海外旅行記」
イズモテンブログVOL.12「【山形連載②】海外旅行記」
イズモテンブログVOL.21「【山形連載(番外編)】日本列島ダーツの旅・前編」